
特典航空券は取れた。ホテルもポイントで押さえた。座席指定もキッズミールもリクエスト済み。——ここまで来て、出発1週間前にふと不安になりませんか。
「あれ、入国のときに出すやつ、うち何を取ればいいんだっけ?」
ESTA、入国カード、電子渡航認証、アライバルカード。呼び名もバラバラ、必要な国もバラバラ、申請できる時期もバラバラ。しかも厄介なことに、これらはほぼすべて「家族の人数分」必要です。大人だけの旅行なら1〜2件で済む手続きが、5人家族だと5件になる。金額も5倍になる。
私も5人家族(妻・娘3人=中学生1人・小学生2人)で海外に出るたび、ここだけは毎回ヒヤッとしています。マイルやポイントの話はあれだけ情報があるのに、「出発前に、家族全員ぶん、どの手続きを、いつまでにやるのか」を家族目線で一覧にした情報は驚くほど少ないのです。
そこでこの記事では、子連れ海外でつまずきやすい渡航認証と入国カードを、行き先別・費用別・申請タイミング別に整理します。結論から言うと、いちばん効くのは「行き先ごとに1枚の早見表を持っておくこと」と「グアムだけは別ルートがある」という2点です。
目次
この記事でわかること
- 主要な行き先別に「何が必要で、いくらかかって、いつから申請できるか」の早見表
- ESTAが2025年9月30日から値上げされ、5人家族だといくらになるのか
- グアム・北マリアナ諸島なら無料の渡航認証で足りるケースがある(2024年12月の制度変更)
- ESTAの有効期限が「子どものパスポート」に引きずられる落とし穴
- 家族分をまとめて申請代行サイトに払ってしまう事故と、その避け方
- 我が家(5人家族)が使っている逆算タイムライン
【結論】渡航認証は「人数分の固定費」。だから家族ほど先に調べる価値がある

先に結論をまとめます。
渡航認証と入国カードは、家族割引もなければ、赤ちゃんの免除もない。「1人あたりいくら」が、そのまま人数分の固定費になる。
大人2人の旅行なら、ESTAの値上げは「まあ仕方ない」で済む金額です。ところが5人家族になると、同じ制度変更が5倍の重さで効いてきます。しかも、子どもは自分で手続きできないので、申請作業そのものも親が人数分こなすことになります。
もうひとつ大事なのが、「有料の認証」と「無料の入国カード」がごちゃまぜに語られていることです。実際には次のように性質が違います。
| 種類 | 性質 | 代表例 |
|---|---|---|
| 電子渡航認証(有料) | 入国の可否を事前に審査する。取れないと搭乗できない | 米国のESTA |
| 電子渡航認証(無料) | 同じく事前審査だが費用がかからない | グアム・北マリアナ諸島のG-CNMI ETA |
| 電子入国カード(無料) | 紙の入国カードが電子化されたもの。到着の数日前から | タイ・台湾・シンガポール・韓国など |
この3つを混ぜて考えると「全部お金がかかる気がする」「全部早めに取らなきゃ」と混乱します。お金がかかるのは基本的に米国系だけ、アジア近距離は無料だが到着数日前まで申請できない——この2行を頭に入れておくと、以降の話がすっきり整理できます。
まずは、日程が決まっていないと手続きは一歩も進みません。渡航認証はどれもフライトの情報や滞在先を入力する必要があるため、順番としては航空券の確定が先です。
渡航認証の前に、まず日程と便を確定させる
入国カードも渡航認証も、便名・到着日・滞在先の入力を求められます。家族5人分を一度に片づけるには、先に旅程を固めてしまうのがいちばん早道です。国内線・国際線をまとめて比較できるサービスで、まず候補日の価格帯を押さえておきましょう。
行き先別の早見表(2026年9月時点)
子連れで行き先になりやすい国・地域を中心に整理しました。制度は変わるため、出発前には必ず各国の公式サイトで最新の内容を確認してください。
| 行き先 | 必要なもの | 費用(1人あたり) | 申請できる時期 | 子どもの扱い |
|---|---|---|---|---|
| ハワイ・米国本土 | ESTA | 40米ドル | いつでも(遅くとも72時間前までの取得が推奨) | 乳幼児も同額で必要 |
| グアム・サイパン(45日以内) | G-CNMI ETA | 無料 | 事前(承認まで余裕を見る) | 未成年も個別に必要 |
| 台湾 | 入国カード(オンライン) | 無料 | 到着の7日前から | 全員分必要 |
| タイ | TDAC(タイ デジタル入国カード) | 無料 | 到着の3日前から | 年齢を問わず全員 |
| シンガポール | SGアライバルカード | 無料 | 到着日を含む3日前から | 年齢を問わず全員 |
| 韓国 | K-ETAは免除期間中/電子入国申告書は必要 | 無料 | — | 全員分 |
| ヨーロッパ(シェンゲン圏) | 現時点ではETIAS不要/導入予定あり | 未定 | — | — |
この表を見て、まず気づいてほしいのが「無料のものほど、申請できる時期が遅い」という構造です。台湾は7日前から、タイとシンガポールは3日前から。つまり、出発の1ヶ月前に全部片づけてしまう、ということが制度上できません。
逆にESTAはいつでも申請できますが、こちらは有料で、しかも後述する有効期限の罠があります。「早くやれるものは早く、遅れてしか取れないものはリマインダーを置く」——これが家族分の手続きを事故なく回すコツです。
ESTA編:2025年9月30日から40ドル。5人家族なら200ドル
まず、いちばん金額インパクトが大きいESTAから。
ESTAの申請料は、2025年9月30日(米国時間)から、1人あたり21米ドルから40米ドルに引き上げられました。2025年7月に成立した米国の連邦法(通称 One Big Beautiful Bill Act)に基づく改定です。東京都の消費生活センターが2025年12月に出した注意喚起でも、米国国土安全保障省の公式サイトでの申請費用は40米ドル(令和7年12月時点)と案内されています。
ここで子育て世帯に効いてくるのが、家族割引もグループ割引もなく、赤ちゃんでも大人と同額という点です。
シミュレーション例:5人家族でハワイに行く場合
読者想定モデルとして、大人2人+子ども3人の5人家族で計算してみます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ESTA 40米ドル × 5人 | 200米ドル |
| 1ドル150円で換算した場合 | 約30,000円 |
| 改定前(21米ドル×5人)との差額 | 95米ドル(約14,250円) |
※為替は変動します。上記はあくまで計算例です。
家族5人だと、制度変更だけで1万円以上の追加負担が発生した計算になります。マイルでハワイ往復を取って「航空券代ゼロ」と喜んでも、こういう固定費は現金で出ていきます。特典航空券でも燃油サーチャージや空港諸税は別途かかりますから、「マイルで行く=無料」ではないという感覚は持っておきたいところです。このあたりの現金支出の考え方は、家族の海外航空券はいつ買う?9月時点でいま効く3つのレバーでも整理しています。
ESTAの有効期限は「パスポートの期限」に引きずられる
ここが、子連れ家庭がいちばん見落とすポイントです。
ESTAの有効期間は、承認された日から2年間、またはパスポートの有効期限が切れる日まで、どちらか短いほうです。
大人のパスポートは10年旅券が一般的なので、たいていは「2年フルに使える」状態になります。ところが、12歳未満の子どものパスポートは5年旅券です。つまり、こういうことが起こります。
- 子どものパスポート残り1年6ヶ月の状態でESTAを取る → そのESTAも1年6ヶ月で失効する
- パスポートを切り替えた → 前のESTAは使えず、40ドル払って取り直し
「去年ハワイに行ったから、うちは家族全員まだ大丈夫」という思い込みが通用しないのは、たいてい子どものぶんです。加えて、新しいパスポートを取得した場合、氏名・性別・国籍を変更した場合、適格性に関する質問への回答が変わった場合は、再申請が必要とされています。
パスポートの切り替えそのものの手続きについては、子供のパスポート取得完全ガイド|申請の流れ・必要書類で詳しく解説しています。パスポートを更新したら、ESTAもセットで取り直す——この1点だけでも覚えて帰ってください。
パスポートの残存期間はどう考えるか
米国は一般に「滞在日数+6ヶ月」の残存を求める国ですが、日本は6ヶ月ルールの免除対象(いわゆるSix-Month Club)とされており、滞在予定期間ぶんの残存があれば要件を満たすと案内されています。
とはいえ、グアム政府観光局の案内では入国時に45日以上の残存期間が望ましいとされているように、実務上は余裕を見ておくに越したことはありません。子どもの5年旅券は気づかないうちに残り数ヶ月になりがちです。旅行を計画した時点で、家族全員のパスポートの有効期限を並べて確認する習慣をつけておくと安全です。
グアム編:ESTAを買わずに済む「無料の渡航認証」がある
ここが、この記事でいちばんお得な情報かもしれません。
グアムや北マリアナ諸島(サイパン・テニアン・ロタ)へ45日以内の観光で行く場合、有料のESTAではなく、無料の「G-CNMI ETA」で入国できる制度があります。
もともとは「I-736」という紙のフォームで運用されていた、グアム・北マリアナ諸島連邦のビザ免除プログラムです。このI-736は2024年11月30日で廃止され、2024年12月1日からは電子渡航認証であるG-CNMI ETAに置き換わりました。
グアム政府観光局の案内によれば、G-CNMI ETAの要件はおおむね次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | かからない(無料) |
| 有効期間 | 承認から2年間、またはパスポートの有効期限のいずれか早いほうまで |
| 1回の滞在可能日数 | 最長45日間 |
| 対象 | 日本を含む12の国・地域 |
| 条件 | 有効なパスポートの保有、加盟航空会社の利用 |
| 子ども | 本人名義のパスポートが必要。未成年も個別に申請 |
つまり、5人家族のグアム旅行なら、ESTAで200米ドル払うか、G-CNMI ETAで0円にするかの差が出るということです。これは無視できません。
ただし、ESTAが必要になるケースもある
もちろん万能ではありません。次のような場合はESTAが必要になります。
- 滞在が45日を超える場合
- グアム・北マリアナ諸島以外の米国(ハワイ、米国本土など)へ行く場合、または経由する場合
- 加盟航空会社以外を利用する場合
「グアムのあとにハワイへ」「米国本土で乗り継ぐ」といった旅程では、結局ESTAが要ります。自分たちの旅程がどちらに当てはまるかを、予約前に判定しておくのが正解です。
なお、我が家がグアムを選ぶときの理由はマイルとホテルの効率ですが、この渡航認証の差も地味に効きます。グアム旅行全体の組み立ては家族でグアム マイル直行便&マリオットポイント完全ガイドにまとめています。ハワイと比較検討している方は、家族でハワイ マイル&ホテルポイント完全ガイドと合わせて読むと判断しやすいはずです。
アジア近距離編:無料だが「直前にしか取れない」
短距離の子連れ海外でよく選ばれる4つの行き先について整理します。いずれも費用はかかりませんが、申請できる時期が到着直前に限られるのが共通点です。
台湾:2025年10月から紙の入国カードが廃止
台湾は、紙の入国カードが2025年10月1日をもって完全に廃止され、オンラインでの事前申請が必須になりました。登録できるのは到着日の7日前からです(以前は3日前からでしたが拡大されました)。
家族やグループで渡航する場合も、入国予定者全員分のパスポート情報が必要です。パスポート画像をアップロードすると情報が自動入力される機能があるので、5人分でもそこまで時間はかかりません。台湾旅行そのものの組み立ては家族で台湾 マイル&ホテルポイント完全ガイドをどうぞ。
タイ:TDACは全員・全年齢が対象
タイは、2025年5月1日から、陸路・海路・空路を問わずタイに入国するすべての旅行者にTDAC(タイ デジタル到着カード)の登録が義務づけられました。登録料は無料で、到着日の3日前(72時間前)から申請できます。
子どもについては年齢の下限がなく、パスポートを持つ一人ひとりが提出する必要があります。ありがたいことにグループ登録(Group submission)機能があるので、家族分は一度の手続きでまとめて申請できます。プーケット・バンコクの家族旅行プランは家族でタイ・プーケット マイル&ホテル完全ガイドで解説しています。
シンガポール:SGアライバルカードは到着3日前から
シンガポールはSGアライバルカード(SGAC)を全入国者に義務づけています。無料で、到着日を含む3日前から申請可能。年齢を問わずすべての旅行者が対象で、赤ちゃんも1人ずつ必要です。
注意点として、有料の申請代行サイトが多数存在します。必ずシンガポール入国管理局(ICA)の公式サイトから手続きしてください。シンガポール旅行の全体像は家族でシンガポール マイル&ホテル完全攻略にあります。
韓国:K-ETAは免除中だが「電子入国申告書」は別物
韓国はやや特殊です。韓国法務部は、日本を含む22の国・地域を対象としたK-ETA(電子旅行許可)の一時免除期間を、2026年12月31日まで延長しています。つまり、現時点の日本国旅券保持者はK-ETAの事前申請が不要です。
ただしここで安心しきると危険で、K-ETA免除で入国する場合は、原則として入国時に電子入国申告書(e-Arrival Card)の提出が必要とされています。「K-ETAは要らない=何も要らない」ではありません。免除されているのはK-ETAだけ、と切り分けて覚えてください。なお免除措置は期限付きの措置なので、2026年末以降の渡航は必ず最新情報を確認しましょう。
現地での通信手段を含めた韓国旅行の準備は、韓国eSIMの家族向けガイドも参考になります。

手続きは無料でも、旅行の支出は家族の人数分かかる
入国カードは無料でも、航空券・ホテル・海外旅行保険は5人分まるごと現金が出ていきます。予約の前にポイントサイトを1回経由しておくだけで還元が上乗せされることがあります。登録は無料、紹介特典があります。
ヨーロッパ編:ETIASは「まだ不要、でも来る」
ヨーロッパについては、2026年9月時点で日本国籍の旅行者にETIAS(欧州渡航情報認証制度)は求められていません。ただし、導入に向けた動きは進んでいます。
- EES(出入国システム):2025年10月12日から段階的に導入が始まり、2026年4月10日にシェンゲン圏の対外国境で完全運用に至ったと案内されています。パスポートへのスタンプに代わり、顔と指紋の生体情報を登録する仕組みです。
- ETIAS:2026年の第4四半期に開始が予定されています。米国のESTAに近い電子渡航認証で、有料になる見込みです。
ETIASの開始時期はこれまで何度も延期されてきた経緯があるため、「予定は予定」として受け止め、渡航が近づいたら必ず最新情報を確認するのが現実的です。ヨーロッパは移動時間が長く、子連れだと準備の負荷も高い行き先です。旅程づくりは家族でヨーロッパ ANAビジネス特典発券完全ガイドを参考にしてください。
子どもの生体情報はどう扱われるのか
EESでは指紋の登録が行われますが、低年齢の子どもの扱いは国や運用によって異なります。ここは断定的な情報を書けないため、渡航直前に渡航先の公式情報を確認することを強くおすすめします。現地の入国審査で「うちの子は?」と聞かれて困らないよう、家族全員ぶんの手続きが必要かどうかだけは、事前に確認しておくのが安全です。
いちばん多い事故:家族分を申請代行サイトに払ってしまう
ここからは、金額の話です。
東京都の消費生活センターは、電子渡航認証(ESTA等)の申請代行サイトに関する相談が急増しているとして注意喚起を出しています(2025年12月)。事例として紹介されているのは、アメリカ旅行のためにESTAを申請したところ、クレジットカードの請求が約4万円になっていたという40代女性のケースです。公式サイトでの申請費用は40米ドル(令和7年12月時点)ですから、桁が違います。
これらのサイトは詐欺というわけではなく、申請自体は代行されます。しかし手数料が非常に高い。そして、検索結果の上位に、公式サイトに似たデザインで表示されます。
子連れ家庭がとくに危ない理由
この事故が家族連れで深刻化するのは、単純な話で、人数分やってしまうからです。
1人で4万円なら、5人分で20万円になりかねません。しかも、家族旅行の準備は出発直前に慌ててやることが多い。焦って検索して、上に出てきたサイトを開いて、5人分入力して、カードで決済して——という流れは、想像できてしまうのではないでしょうか。
事故を避ける3つの原則
- 検索結果から入らない。「ESTA 申請」で検索した結果の上位は、公式サイトである保証がありません。渡航先の政府公式サイトに直接アクセスします。ESTAであれば米国国土安全保障省の公式サイト、シンガポールであればICA(入国管理局)の公式サイトです。
- 金額を先に知っておく。ESTAは40米ドル、G-CNMI ETA・TDAC・SGアライバルカード・台湾の入国カードはすべて無料。この数字と違う請求が出てきた時点で、いったん手を止める。
- 申込前に費用と解約条件を確認し、最終確認画面のスクリーンショットを保存する。これは東京都の注意喚起でも案内されている対策です。
「無料のはずの入国カードでお金を請求された」なら、それはほぼ確実に代行サイトです。この1点を家族で共有しておくだけでも、事故はかなり防げます。
子連れならではの手続き:3つ覚えておきたいこと
① 14歳未満は入国審査の指紋採取の対象外
米国の入国審査(US-VISIT)では顔写真の撮影と指紋の採取が行われますが、14歳未満と80歳以上はその対象になりません。
小さな子どもを連れた入国審査というと身構えてしまいますが、手続きそのものは子どものほうが軽いということです。列に並ぶ時間や、ぐずり対策のほうが本番だと考えておきましょう。
なお、米国には30日以上滞在する外国人に対する登録義務があり、14歳未満の子どもについては親または法定後見人が手続きを求められる場合があります。通常の家族旅行(30日未満)では該当しない話ですが、長期滞在を予定している場合は別途確認してください。
② 片方の親だけで渡航するときの同意書
一方の親だけが子どもを連れて出入国する場合、国によっては、同行しない親の渡航同意書の提示を求められることがあります。
一般的には英文・様式自由の同意書が推奨されており、国や状況によっては公証役場の認証や外務省のアポスティーユ証明まで必要になるケースがあります。また、同行する親と子どもの姓が異なる場合、入国審査で親子関係の確認を求められることがあるため、戸籍謄本とその英訳を用意しておくと安心です。
要件は渡航先によってかなり違います。祖父母と子どもだけで行く、夫婦のどちらかだけで連れて行くといった旅程を考えている場合は、早めに航空会社や渡航先の大使館・領事館の案内を確認してください。
③ 姓のローマ字表記を家族で揃える
地味ですが、実害が出やすいのがこれです。渡航認証はパスポートの記載と完全に一致している必要があります。
日本語の姓をヘボン式ローマ字にするとき、たとえば「さとう」は SATO と SATOH のどちらも申請できます。家族のなかで表記が割れていると、航空券・パスポート・渡航認証の三者が食い違うという事態が起こります。
パスポートを新規に取る子どもがいる年は、まず親のパスポートの綴りを見てから、子どものパスポートを申請する。この順番を守るだけで防げます。詳しくは子供のパスポート取得完全ガイドをご覧ください。
逆算タイムライン:いつ、何をやるか
家族分の手続きを事故なく終わらせるための時系列です。「早くできるものは早く、直前にしか取れないものはリマインダーを置く」が基本方針になります。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 旅行を計画した時点 | 家族全員のパスポートの有効期限を並べて確認。切れそうな子がいれば更新を先に |
| 航空券を確定したら | 米国方面ならESTA、グアム方面ならG-CNMI ETAを申請(人数分) |
| 出発の2週間前 | 渡航先の公式サイトで、必要な手続きに変更がないか再確認 |
| 出発7日前 | 台湾の入国カードを家族全員ぶん登録 |
| 出発3日前 | タイのTDAC/シンガポールのSGアライバルカードを登録(グループ申請が使える) |
| 出発72時間前まで | ESTAの承認が下りているか最終確認(未承認なら搭乗できない) |
| 前日 | 承認番号・控えをスクリーンショットで家族全員ぶん保存 |
最後の行は地味ですが、実用性が高いです。空港のWi-Fiが不安定でメールを開けないという状況は普通に起こります。画面の写真を1枚撮って、家族の共有アルバムに入れておくだけで安心感が違います。
そして、もし子どもの発熱などで旅行そのものを取りやめることになった場合、渡航認証の費用は戻ってきません(ESTAの40ドルは返金対象外です)。ただし航空券のほうには救済措置があります。詳しくは子連れ旅行の急なキャンセル|ANA/JAL特典航空券の払戻・変更ルール完全ガイドで解説しています。
我が家(5人家族)の場合:パスポート更新の年に全部やる
最後に、5人家族である我が家がどう回しているかを共有します。
我が家の悩みは、娘3人のパスポート更新時期がバラバラだという点でした。中学生の長女はもう12歳を超えているので10年旅券を選べますが、下2人は5年旅券です。だいたい2〜3年に1回、誰かのパスポートが切れるという状態が続きます。
そこで我が家では、次のルールにしました。
- 「誰かのパスポートを更新する年」を、家族の渡航認証リセット年と決める
- その年に米国方面へ行く予定があるなら、パスポート更新を先に済ませてから、家族5人分のESTAをまとめて取り直す
- 承認番号は家族共有のメモアプリに5人分並べて記録する
こうすると「誰のESTAがいつ切れるか」を個別に追う必要がなくなります。バラバラに管理しようとするから漏れるのであって、まとめてリセットしてしまえば管理対象は1つになる、という発想です。
もうひとつ。グアムを選ぶときは必ず45日以内の滞在なので、我が家はG-CNMI ETAのルートを使います。家族5人で200米ドル浮くと考えれば、現地でのアクティビティ1回分にはなります。同じ「アメリカ」でも行き先で費用が変わるというのは、知っているかどうかだけの差です。
こうした細かい支出を積み上げていくと、最終的には家族旅行全体をどのカードで決済するかという話に行き着きます。我が家はホテル側のポイントを厚くする方針で、マリオット系の宿泊とカードを軸に組み立てています。ホテル選びの実務は子供と泊まるホテル選び|ベビーベッド・キッズアメニティ事情にまとめました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 赤ちゃんでもESTAは必要ですか?
必要です。ESTAは年齢に関係なく1人1件が必要で、料金も大人と同額の40米ドルです。家族割引やグループ割引はありません。
前提として、赤ちゃんも本人名義のパスポートが必要です(親のパスポートに併記する制度はありません)。そして12歳未満の子どもの旅券は5年有効なので、ESTAの有効期限もそのパスポートの期限に引っ張られます。
Q2. ESTAは家族分をまとめて申請できますか?
できます。ESTAにはグループ申請の機能があり、家族分をまとめて手続きできます。支払いも一括で処理できるため、5人分を1件ずつ入力し直す必要はありません。
ただし、入力するのはあくまで1人ずつの情報です。パスポート番号・有効期限・氏名の綴りを人数分、正確に入力する必要があります。パスポートを手元に全員分そろえてから着手してください。
Q3. 去年ESTAを取ったのですが、家族全員まだ使えますか?
「大人は使えるが、子どもは切れている」というパターンがあり得ます。ESTAの有効期間は承認日から2年間ですが、パスポートの有効期限が先に来る場合はそちらが優先されます。
大人は10年旅券なので2年フルに使えることが多い一方、子どもの5年旅券は残存期間が短くなりがちです。加えて、パスポートを更新した時点で前のESTAは使えなくなります。出発前に、公式サイトで家族全員ぶんの有効性を1人ずつ確認してください。
Q4. グアムに行くのに、ESTAとG-CNMI ETAのどちらを取ればいいですか?
45日以内の滞在で、グアム・北マリアナ諸島だけに行くなら、無料のG-CNMI ETAで足ります。5人家族なら200米ドルの差になります。
ただし、滞在が45日を超える場合、ハワイや米国本土へ行く・経由する場合、加盟航空会社以外を利用する場合はESTAが必要です。旅程がグアム完結かどうかで判断してください。判断に迷う場合は、有料でも汎用性のあるESTAを取っておくほうが安全です。
Q5. 入国カードの申請でお金を請求されました。これは正しいですか?
台湾・タイ・シンガポールの入国カード、およびグアムのG-CNMI ETAは無料です。これらで料金を請求された場合、ほぼ確実に民間の申請代行サイトです。
ESTAについても、公式サイトでの申請費用は40米ドルです。東京都の消費生活センターには、代行サイトで約4万円を請求されたという相談事例が寄せられています。渡航先の政府公式サイトに直接アクセスするのが唯一の確実な防御策です。検索結果の上位を信用しないでください。
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渡航認証の要否は行き先で決まります。ハワイかグアムかで費用が200米ドル変わるのですから、行き先を決める前に運賃も見比べておく価値はあります。海外航空券に強い検索サービスで、候補地の価格帯を並べてみてください。
まとめ:渡航認証は「家族の人数分の固定費」と考える

長くなったので、要点を整理します。
- 渡航認証・入国カードは、ほぼすべて家族の人数分が必要。赤ちゃんも同額で、家族割引はない
- ESTAは2025年9月30日から40米ドル。5人家族なら200米ドル(1ドル150円換算で約30,000円)
- ESTAの有効期限はパスポートの期限に引きずられる。子どもの5年旅券があるため、「去年取ったから大丈夫」は通用しない
- グアム・北マリアナ諸島に45日以内なら、無料のG-CNMI ETAで足りる。I-736は2024年12月1日に置き換わった
- アジア近距離の入国カードは無料だが、台湾は7日前・タイとシンガポールは3日前からしか申請できない。早めに全部片づけることはできない
- 韓国はK-ETAが2026年12月31日まで免除中。ただし電子入国申告書は別途必要
- ヨーロッパのETIASは2026年第4四半期に開始予定。EESの生体情報登録は先行して運用中
- 無料のはずの手続きで課金されたら、それは代行サイト。必ず政府公式サイトから直接申請する
子連れ海外の準備は、やることが多すぎて「マイルとホテル」に意識が寄りがちです。でも実際に旅を止めるのは、承認が下りていない1件の渡航認証だったりします。家族の人数分の手続きを、逆算して、まとめて片づける。それだけで、出発前の不安はかなり減ります。
なお、こうした固定費や現地での支出を少しでも取り返したいなら、家族旅行の決済をホテル系のカードに寄せるのは有効な方法のひとつです。我が家はマリオット系の宿泊とポイントを軸に組み立てていて、ホテル側のポイントが貯まることで、翌年の宿泊費そのものを圧縮できています。

マリオット ボンヴォイ アメックス・プレミアム・カード
家族旅行の支出をホテル側のポイントに変えるカードです。2025年8月改定後の現行スペックでは、入会時にゴールドエリート資格が自動付与され、年間400万円以上の利用で最大75,000ポイント相当の無料宿泊特典が得られます(条件達成時)。ご紹介プログラム経由なら、入会特典は最大111,000ポイントです。
※ご紹介プログラム経由。年会費82,500円(税込)。入会特典の内容・適用条件は時期により変動するため、最新情報は公式ページでご確認ください。
渡航認証は、取れてしまえば2年間は忘れていられる手続きです。面倒なのは最初の1回だけ。家族分をまとめて片づけて、あとは旅行の楽しい部分に時間を使ってください。
良い家族旅行を!
※本記事の制度・料金は2026年9月時点で公開されている情報をもとにしています。渡航認証の要件や料金は予告なく変更されることがあるため、申請前には必ず渡航先の政府公式サイトで最新情報をご確認ください。