
搭乗ゲートの前で、電光掲示板の「DELAYED」が「CANCELLED」に変わる瞬間。あの感覚、味わったことありませんか。
大人だけの旅なら、正直どうにでもなります。カウンターに並んで、翌朝の便に振り替えて、空港近くのホテルを取ればいい。ところが子連れだと、同じ1回の欠航がまったく別の重さで効いてきます。並んでいる間に下の子は限界を迎え、ホテルは5人で1部屋には収まらず、そもそも「今夜どこで寝るのか」が決まらない。
我が家は私・妻・娘3人(中学生1人・小学生2人)の5人家族です。旅程が崩れたときに毎回痛感するのは、崩れた瞬間の判断スピードがそのまま追加出費の額になるということ。そして厄介なことに、この分野は「何がどこまで補償されるのか」が、ものすごく分かりにくい。
以前、子連れ旅行の急なキャンセル|ANA/JAL特典航空券の払戻・変更ルールという記事で、子どもの発熱など「こちら側の都合」で旅程が崩れたときの出口を整理しました。この記事はその鏡像、つまり「航空会社側の都合、あるいは天候で崩れたとき」の話です。
結論から言うと、いちばん大事なのは「手数料が免除されるかどうか」ではありません。そこは実はほぼ全パターンで免除されます。本当の分かれ目は、宿泊費と食事代を誰が払うのか。そしてもうひとつ、クレジットカードの遅延補償が、家族のうち何人分をカバーするのかです。
目次
この記事でわかること
- 欠航・遅延のとき、手数料は免除されるのに宿泊費だけが「原因」で分かれる理由
- ANA国内線・JAL国際線それぞれの費用負担の線引き(2026年9月時点)
- 特典航空券が欠航したとき、マイルと税金はどこまで戻るのか
- ヨーロッパ路線ならEU261で最大600ユーロ。子どもが対象になる条件とならない条件
- カード付帯の「航空便遅延費用補償」が本会員だけで止まる落とし穴と、その回避策
- 振替便でリセットされる座席指定・バシネット・キッズミールをどう取り戻すか
- 我が家(5人家族)が実際に使っている判断の順番
【結論】お金は戻る。でも「今夜の宿」は原因で分かれる

先に全体像をまとめます。
欠航・遅延では、航空券側の手数料はまず免除される。分かれ目は「宿泊費・食事代を航空会社が持つかどうか」で、これは遅れた原因が天候か、航空会社側かで決まる。
表にすると、こういう構造です。
| 崩れた原因 | 航空券の手数料 | 振替・払い戻し | 宿泊費・地上交通費 |
|---|---|---|---|
| 天候・自然災害(不可抗力) | かからない | できる | 旅客の自己負担 |
| 機材故障など航空会社側の事情 | かからない | できる | 航空会社が定める範囲で負担 |
| こちら側の都合(子の発熱など) | 原則かかる(診断書で免除の道あり) | できる | 自己負担 |
3列目まではどの原因でも同じ顔をしているのに、いちばん右の列だけが割れる。ここが子連れにとって最大の金額インパクトです。大人2人なら1部屋で済む話が、5人家族だと2部屋・食事5人分になり、桁がひとつ変わります。
そして重要なのが、「天候欠航なら航空会社は宿を用意してくれない」という事実。台風シーズンに沖縄や北海道へ子連れで飛ぶなら、ここは覚悟の上で計画を立てる必要があります。
だからこそ、崩れる「前」に動けるかどうかが勝負になります。後述しますが、遅延・欠航が確定する前の段階で、手数料なしで振替や払い戻しができる取り扱いが出ることがあります。子連れは並ぶのも移動するのも遅いぶん、情報が出た瞬間に動ける人がいちばん得をする構図です。
また、振替便に家族5人分の空席がそろわないケースもあります。そのときは「別の便を現金で押さえて、元の便は払い戻す」という判断が現実解になることも。選択肢を持っておくために、代替便の相場観だけは事前に掴んでおくと落ち着いて動けます。
振替が取れないときの「もう一本」を確保できるようにしておく
家族5人ぶんの席が同じ便にそろわないと、振替は成立しません。国内線・国際線をまとめて比較できるサービスで、代替便の相場と空席の厚みを掴んでおくと、カウンターで粘るか自分で押さえるかの判断が速くなります。
手数料編:欠航・遅延なら、まず「お金は取られない」
最初に安心材料から。旅程が航空会社側の事情や天候で崩れた場合、取消手数料や変更手数料は基本的にかかりません。
ANAの案内では、国内線で遅延・欠航が発生した場合、取消手数料および取消手数料マイルなしで変更・払い戻しを受け付けるとされています。国際線の特典航空券についても、台風・降雪などの不可抗力や、機材故障などANA側に起因する便の遅延・欠航が発生する(した)場合には、ANA便への変更または払い戻しで対応する旨が案内されています。
これは、こちら側の都合でキャンセルする場合と決定的に違う点です。自己都合だと、ANA国内線の特典航空券なら1人3,000マイル、JAL国内線なら1特典につき1,000円といった手数料が人数分かかってきます(詳しくは子連れ旅行の急なキャンセル記事で整理しました)。5人家族だと、この「人数分」がボディブローのように効くわけですが、欠航・遅延ならそこは丸ごと消える。
遅延・欠航が「決まる前」に動けるパターンがある
ここが、子連れにとって実はいちばん使える知識です。
ANA国内線では、悪天候の影響が見込まれるとき、遅延や欠航とならない場合でも、対象空港を発着する便について手数料なく搭乗予定便の変更(振替)および払い戻しを承る、という事前の取り扱いが案内されることがあります。台風の進路が読めてきた段階で、対象空港と対象期間が公表されるイメージです。
これが何を意味するか。「当日、空港で3時間並ぶ」ルートを回避できるということです。
子連れの行列は本当にしんどい。下の子を抱えてカウンターに並び、上の子に荷物を見張らせ、結局案内されたのは翌々日の便……という展開を、自宅のソファの上で、スマホで、前日のうちに処理できる。これは金額以上の価値があります。
我が家のルールはシンプルで、台風や大雪のニュースが出た時点で、まず航空会社の運航情報ページと公式SNSを見に行く。対象空港の告知が出ていたら、その日のうちに家族会議をして振替か払い戻しかを決めます。空港に着いてから考えるのは、いちばん高くつくパターンです。
宿泊費編:ここだけは「原因」で割れる
さて、本題です。手数料が免除されても、今夜の宿代は別の勘定になります。
JAL国際線の線引き
JALの案内を整理すると、こうなります。
- JAL側に起因する遅延・欠航で、同日に出発する代替便または地上交通が手配できず、やむを得ず宿泊が発生する場合 → 宿泊費・交通費を、JALが定める範囲において支払う
- 支払い方法は、旅客がいったん立替払いし、後日JALから払い戻される流れ
- 悪天候・自然災害などJAL都合以外の場合 → 旅客の負担
- 他社運航のコードシェア便は、運航会社の基準による
3つ目と4つ目が要注意です。「JALのマイルでJALのサイトから取ったから、JALが面倒を見てくれるはず」と思っていても、実際に飛ばす会社が別なら、基準もその会社のものになります。家族で特典航空券を取るときは提携航空会社便を使う場面も多いので、ここは覚えておく価値があります。
そして「いったん立替」という点も、地味に子連れ泣かせです。5人家族で2部屋取れば、その場で3〜4万円のカード決済が走ります。枠に余裕のあるカードを1枚は持っていく、というのは意外と実務的な備えです。
ANA国内線の線引き
ANA国内線では、悪天候などが理由の変更に際して発生した諸費用(交通費・宿泊費)は旅客の負担とされています。旅程変更にともなう宿泊や地上交通の追加手配も、旅客自身で手配・負担する扱いです。
一方、機材故障など航空会社側の事情による振替については、諸費用に関する別途の案内が用意されています。つまり線引きの考え方はJALと同じ構造で、天候か会社かで分かれる、と理解しておけば大きく外しません。
シミュレーション例:5人家族が新千歳で1泊足止めされたら
読者想定モデルとして、大人2人+子ども3人の5人家族で、冬の新千歳が大雪で欠航したケースを計算してみます。
| 項目 | 想定額 |
|---|---|
| 空港周辺ホテル 2部屋 × 1泊 | 30,000〜40,000円 |
| 夕食・朝食 5人分 | 10,000〜15,000円 |
| 空港とホテルの往復交通費 | 3,000〜5,000円 |
| 合計 | 43,000〜60,000円 |
※あくまで計算例です。時期・エリアによって大きく変動します。
これが全額自己負担になるのが、天候欠航です。しかも繁忙期の欠航では、空港周辺のホテルが一斉に埋まります。「お金を出せば泊まれる」とも限らない。マイルで押さえられるホテルの候補を持っておくことの価値は、こういう場面でこそ出ます。ポイント宿泊の考え方はマリオット ポイント宿泊 vs 現金 損益分岐点で詳しく整理しています。
特典航空券編:マイルはどこまで戻るのか
マイルで取った家族分のチケットが欠航になった場合、マイルは全額返還され、支払った税金・空港使用料も全額返金されるのが基本の扱いです。自己都合キャンセル時にかかる手数料マイルも、この場合は不要とされています。
ただし、1つだけ落とし穴があります。
戻ったマイルの有効期限は延びない
これは自己都合キャンセルの記事でも書いた話ですが、欠航の場合も同じです。払い戻しの手続き時点ですでに有効期限を過ぎているマイルは、戻ってきません。
期限が迫ったマイルで特典航空券を取っていて、その便が欠航して、払い戻しているうちに期限が来てしまう——という展開があり得ます。子連れだと「とりあえず今夜の宿を確保する」が最優先になり、マイルの期限まで意識が回らないのが普通です。だからこそ、期限間際のマイルで発券した旅程は、崩れたときのリスクが一段高いと知っておいてください。
マイルの延命手段についてはマイルの延命ルート大全にまとめてあります。
振替便に「特典枠」が空いていなくても乗れることがある
これは実務の話で、公式に明文化されているとは言い切れないので留保つきで書きます。
通常、特典航空券は「特典用の座席在庫」が空いていないと取れません。ところが欠航にともなう振替はイレギュラー対応として扱われ、特典枠の空きがなくても振替便に乗れる、という運用が案内されるケースがあるようです。国際線でも、空港カウンターで有償航空券と同じように振替手続きをしてもらえた、という体験談は複数見られます。
ただしこれは約束された権利ではなく、あくまで運用です。「振替は必ず取れる」と思い込んで計画を立てない。これが正しい距離感だと考えています。家族5人分ともなれば、そもそも同じ便に5席そろうこと自体がハードルです。
EU261編:ヨーロッパ路線なら最大600ユーロ。子どもも対象になる
ヨーロッパ路線を家族で飛ぶなら、知っておく価値が非常に高いのがEU261(EU規則261/2004)です。
補償額と条件
3時間以上の遅延が発生した場合、距離に応じて次の補償が定められています。
| 飛行距離 | 補償額(1人あたり) |
|---|---|
| 1,500km以下 | 250ユーロ |
| EU域内、または1,500〜3,500km | 400ユーロ |
| 3,500km超 | 600ユーロ |
日本〜ヨーロッパは当然3,500km超なので、該当すれば1人600ユーロ。1ユーロ170円で換算すれば、およそ10万円です。
ここが本題:子どもは何人分カウントされるのか
家族にとっての核心はここです。
- 座席を持ち、運賃を支払っている子どもは、大人と同じ条件で補償の対象
- 座席を占有しない無償の幼児(膝の上の赤ちゃん)は、対象外
- ただし、割引運賃であっても座席を購入していれば対象
つまり、5人家族全員が座席を持っていれば、理屈の上では600ユーロ × 5人=3,000ユーロということになります。約50万円。これは無視できる金額ではありません。
逆に言えば、2歳未満の子を膝上で乗せている場合、その子のぶんは出ない。子供の飛行機代は何歳から?で整理したとおり、膝上搭乗は運賃面では圧倒的に有利ですが、トラブル時の補償という一点では不利という、きれいなトレードオフになっています。
2026年の制度改定について
なお、EU261は現在、改定作業が進んでいます。2026年6月15日にEU側で政治的合意がまとまり、補償の対象と補償額については現行水準をほぼ維持する形で決着したと報じられています。一方で、代替ルートが提供される場合や到着遅延が4時間を超えない場合には、航空会社が補償額を50%減額できるといった変更も含まれています。
正式採択は2026年後半、経過期間を経て発効するのは2027年の予定とされており、それまでは現行のEU261がそのまま適用されます。制度が動いている領域なので、実際に請求する段階では必ず最新の内容を確認してください。
なお、EU261は「EU発の全便」および「EU域外発でもEUの航空会社が運航する便」が対象という適用範囲の考え方があります。日本発の便でも、EUの航空会社が運航していれば対象になり得るという点は、路線選びの隠れた判断材料になります。
カード補償編:ここに最大の落とし穴がある
さて、ここからがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。
「クレジットカードに航空便遅延の補償が付いているから大丈夫」——そう思っている方は多いと思います。私もそう思っていました。ところがアメリカン・エキスプレスの公式サイトで補償内容を確認したところ、子連れにとって決定的に重要な制約が書かれていました。
補償額と、対象カード
アメックスの「海外旅行時の航空便遅延費用補償」では、カードのランクごとに補償額が定められています。マリオットボンヴォイ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードを含むゴールド系カードの場合、公式サイトの記載は次のとおりです(2026年9月時点)。
| 補償項目 | 限度額 |
|---|---|
| 乗継遅延/出航遅延・欠航・搭乗不能費用 | 最高2万円 |
| 受託手荷物遅延費用 | 最高2万円 |
| 受託手荷物紛失費用 | 最高4万円 |
適用される遅延の基準は、「乗り継ぎ到着時刻から4時間以内に代わりの便を利用できない」場合、または「4時間以上の出発遅延」が対象とされています。
落とし穴①:家族カード会員は対象外
ここが最大のポイントです。
この航空便遅延費用補償は、原則として本会員のみが対象です。公式サイトの記載によれば、家族カード会員まで補償対象に含まれるのは、プラチナ・カードとANAプレミアム・カードだけ。マリオットボンヴォイ・プレミアムを含むゴールド系は、本会員のみの扱いです。
5人家族が空港で足止めされたとき、使える枠は「本会員1人分の最高2万円」。先ほど計算した新千歳のケース(4〜6万円)には、まったく届きません。
「家族カードを配ってあるから家族全員守られている」という理解は、遅延補償に関しては誤りです。以前子連れ海外旅行の保険はクレカで足りる?で「家族カード≠家族特約」という整理をしましたが、遅延補償はさらに一段厳しく、そもそも本会員以外が対象外という構造になっています。
落とし穴②:利用付帯。特典航空券だと条件を満たしにくい
もうひとつ。ゴールド系カードのこの補償は利用付帯、つまり旅行代金をそのアメックスで決済していることが条件です(自動付帯なのはプラチナ・カードとANA両カードのみ)。
マイルで特典航空券を取った場合、航空券代金の決済そのものが発生しません。これは保険記事でも指摘した構造とまったく同じで、「マイルで取ったから安く行けた」旅ほど、カード補償の傘から外れやすいという皮肉な関係になっています。
現実的な回避策は、空港までの公共交通機関の料金を同じカードで決済しておくこと。これで「旅行代金の一部をカードで支払った」という形を作れる可能性があります。ただし条件の細部はカードごとに異なるため、出発前に必ず約款・公式サイトで確認してください。「たぶん大丈夫」で出発して、いざというときに使えないのが最悪のパターンです。
結局どう備えるか
整理すると、こうなります。
| 守ってくれるもの | 家族全員分か | 主な限界 |
|---|---|---|
| 航空会社の費用負担 | 全員分 | 天候欠航では出ない |
| EU261 | 座席を持つ全員分 | ヨーロッパ関連路線のみ |
| カード付帯の遅延補償 | 本会員のみ(ゴールド系) | 利用付帯・最高2万円 |
| 海外旅行保険(家族特約) | 条件次第 | 補償項目が異なる |
どれか1つで全部カバーできる、という設計にはなっていません。だからこそ、「カードが1枚あるから安心」ではなく、穴がどこに空いているかを知っておくことが、子連れにとっての本当の備えになります。
そのうえで、家族旅行の決済をホテル系のカードに寄せておくと、崩れた旅程のリカバリーそのものが楽になります。振替で予定外の1泊が必要になったとき、ポイントで押さえられるホテルの選択肢があるというのは、現金の備え以上に効きます。

マリオット ボンヴォイ アメックス・プレミアム・カード
旅程が崩れたときの「予定外の1泊」を、ポイントで吸収できる状態を作っておくためのカードです。2025年8月改定後の現行スペックでは、年会費82,500円(税込)、入会時にゴールドエリート資格が自動付与され、年間400万円以上の利用で最大75,000ポイント相当の無料宿泊特典が得られます(条件達成時)。ご紹介プログラム経由なら、入会特典は最大111,000ポイントです(条件達成時・時期により変動)。
※ご紹介プログラム経由。年会費82,500円(税込)。適用条件・付与ポイントは時期により変動するため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。
子連れ固有の再手配:振替便では「全部リセット」される
金額の話が続いたので、最後に実務の話を。
振替便に乗ることが決まった瞬間、それまで積み上げてきた子連れ向けの手配は、いったん白紙に戻ります。
リセットされる3点セット
- 座席指定 — 家族が並んで座れるとは限りません。バラバラの席を割り当てられ、後から交渉する羽目になることも。子連れ国際線 おすすめ座席選びで解説したような「この機材のこの列」という最適解は、当日振替では望めないと考えておくのが現実的です。
- ベビーバシネット — そもそも予約ではなくリクエスト制で、機材ごとに設置位置も数も限られます。振替便では改めてリクエストが必要になり、当然ながら先着の壁があります(ベビーバシネット予約のコツ)。
- キッズミール — これがいちばん厳しい。リクエスト期限は出発の24〜25時間前が目安です(幼児連れ国際線 機内食・キッズミール完全ガイド)。つまり当日の振替では、まず間に合いません。
だから「食べ物だけは自前で持つ」
3つ目の結論として、我が家は振替の可能性がある旅程では、子どもが食べられるものを必ず手荷物に入れるようにしています。
ありがたいことに、乳幼児用のミルク・ベビーフード・母乳は、液体物の100ml制限の例外として扱われます(申告と検査は必要です。詳細は子連れフライトの手荷物ルール完全ガイド)。小学生以上なら、袋菓子やおにぎりで十分しのげます。
「機内食が出るから大丈夫」は、旅程が予定どおり進む前提の話です。空港で6時間足止めされた子どもに必要なのは、補償金ではなく、今食べられるものと退屈しのぎです。機内エンタメの事前ダウンロードについては子連れフライト 機内エンタメ活用術にまとめました。あれは遅延時にこそ真価を発揮します。
乗り継ぎがあるなら、そもそも設計から
最後にひとつ。乗り継ぎ便は、遅延に対する耐性が直行便より構造的に弱いです。1本目が遅れれば2本目に乗れず、乗れなければ行き先に着けない。
だからといって「常に直行便を選べ」という話ではありません。家族5人分の特典航空券を直行便で押さえるのは、そもそも難易度が高いからです。ただ、乗り継ぎ時間を最低限より厚めに取るという判断は、遅延対策としてそのまま効きます。詳しくは子連れ国際線 乗り継ぎ完全ガイドで解説しています。
我が家(5人家族)の場合:崩れたときの順番を決めてある
5人家族で旅程が崩れると、判断すべきことが一度に降ってきます。我が家では、考える順番だけを先に決めてあります。
① 今日中に目的地へ着けるのか、着けないのか
ここを最初に確定させます。着けるなら振替一択。着けないなら、以降のステップへ。
② 今夜どこで寝るのか
カウンターの行列に並ぶ前に、妻がスマホで空港周辺の空室を押さえにいきます。押さえてからキャンセルするのは簡単ですが、埋まった後に取るのは不可能だからです。5人だと2部屋必要になるので、この判断は数分の差で結果が変わります。
③ そもそも旅行を続けるのか、やめるのか
1泊ずれた時点で現地滞在が実質1日削られるなら、「行かない」という選択も十分ありえます。特に日程の短い旅行では、払い戻して仕切り直すほうが総合的に得なことが多い。
④ お金の話は、帰ってから
領収書だけは全部取っておいて、補償の請求は落ち着いてからやります。空港で補償の条件を調べ始めると、①〜③の判断が全部遅れます。
この順番にしてから、旅程が崩れたときの家庭内のストレスが目に見えて減りました。判断の順番を決めておくこと自体が、いちばん安い保険だと思っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 天候による欠航でも、航空券代やマイルは全額戻りますか?
はい。天候が理由でも、遅延・欠航にともなう変更・払い戻しには取消手数料がかからない扱いが案内されています。特典航空券の場合は、マイルが返還され、支払った税金・空港使用料も返金されるのが基本です。ただし戻ってきたマイルの有効期限は延びません。手続き時点で期限切れになっているマイルは戻らない点に注意してください。
Q2. 天候欠航のとき、ホテル代は航空会社が出してくれますか?
出ません。悪天候・自然災害など航空会社側に起因しない事由の場合、宿泊費や地上交通費は旅客の負担とされています。航空会社が費用を負担するのは、機材故障など航空会社側に起因する遅延・欠航の場合です(JAL国際線の場合、いったん立替払いし後日払い戻される流れが案内されています)。
Q3. 膝の上に乗せている赤ちゃんも、EU261の補償を受けられますか?
座席を占有しない無償の幼児は対象外とされています。一方、割引運賃であっても座席を購入していれば対象になります。家族で欧州路線を取るときは、この点も座席購入の判断材料に入れておくとよいでしょう。
Q4. マリオットアメックスプレミアムの遅延補償は、家族カード会員も使えますか?
使えません。アメックスの海外旅行時の航空便遅延費用補償は原則として本会員のみが対象で、家族カード会員まで含まれるのはプラチナ・カードとANAプレミアム・カードだけと案内されています。さらにゴールド系は利用付帯(旅行代金をそのカードで決済することが条件)なので、特典航空券では条件を満たしにくい点にも注意してください。補償内容は改定されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。
Q5. コードシェア便で欠航した場合、どちらの航空会社の基準になりますか?
実際に運航する航空会社の基準になります。JALも「他社運航のコードシェア便は運航会社の基準となる」と案内しています。予約した会社ではなく飛ばす会社が基準、と覚えておいてください。家族の特典航空券では提携航空会社便を使う機会も多いので、発券前に運航会社を確認しておくと安心です。
海外発の便も含めて、代替便を横断で探せるようにしておく
現地で復路が飛ばなくなったときは、日本の航空会社だけを見ていても出口が見つからないことがあります。海外の航空会社もまとめて比較できるサービスをひとつ知っておくと、現地での選択肢が一気に広がります。
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まとめ

最後に、この記事の要点を整理します。
- 手数料は、まず取られない。遅延・欠航にともなう変更・払い戻しは、天候でも会社都合でも取消手数料なしの扱いが基本
- 分かれ目は宿泊費。天候・自然災害なら自己負担、機材故障など航空会社側の事情なら定める範囲で負担される
- 5人家族の1泊足止めは4〜6万円規模。天候欠航ではこれが丸ごと自己負担になる
- 特典航空券はマイル・税金とも全額戻るのが基本。ただし戻ったマイルの有効期限は延びない
- EU261は座席を持つ子どもも大人と同条件。膝上の無償幼児は対象外。改定合意はあるが、現時点では現行ルールが適用
- カードの遅延補償は本会員のみ(ゴールド系)・利用付帯・最高2万円。家族カードを配っていても家族は守られない
- 振替便では座席・バシネット・キッズミールがリセットされる。特にキッズミールは当日振替では間に合わない
子連れの旅で本当に効くのは、トラブルが起きないようにすることではありません。起きたときに、何を、どの順番で決めるかを先に決めておくことです。制度の線引きを知っておけば、空港で慌てて調べる時間を、子どもと向き合う時間に回せます。
なお、こうした予定外の出費を少しでも取り返したいなら、旅行の予約前にポイントサイトを1回経由しておく習慣は地味に効きます。振替で追加の航空券やホテルを取ることになったときも、経由するかどうかで還元が変わってきます。

予定外の出費こそ、経由して取り返す
振替の航空券も、足止めされた夜のホテルも、家族5人分となれば金額はふくらみます。予約の前にポイントサイトを1回経由しておくだけで還元が上乗せされることがあります。登録は無料、紹介特典があります。
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紹介コード:QYMTVB(会員登録後の「友達紹介」画面で入力する場合はこちら)
本記事の内容は2026年9月時点で確認できた各社・各制度の案内に基づいています。運送約款や補償内容、EU261の制度は変更されることがありますので、実際の手続きの前には必ず各航空会社・カード会社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。
良い家族旅行を!